鉾投温泉

そこは、決して自分一人ではたどり着けない場所にありました。
看板は一切なく、方向を指し示す掲示もなく、雑木林や杉林の傾斜地をひたすら歩きます。



やがて、こんな山奥に似つかわしくない物が目に止まります。ポリ浴槽です。
誰がここまで運んだのか、どうやって運んだのか、疑問は膨らみます。



山の斜面から取り出されたホースからは、やや熱めの湯が流れ出てきているではありませんか!
どうやら温泉のようです。ポリ浴槽の中に湯がためられて行きます。



ポリ浴槽のある場所から5分ほど杉木立の中を歩くと、盛んに噴気を上げている場所があります。



小さな流れが溜まる所があって、熱せられた湯を混ぜ合わせると、即席の湯溜まりが出来上がります。
お尻くらいならOKです。



さて、適温になったポリ浴槽の湯に身を沈めます。深い霧に包まれた森を眺めながら、遠い日のことを思いながら、今日の日に感謝。
自然の恵みの尊さ、何ものにも替えることのできない瞬間、あらためて、自分が生かされていることを思い知らされました。


鉾投温泉
霧島市牧園町三体堂
泉質不明 無色透明
野湯
2010/2/27