田畑と住宅地、山林が混在する風景を眺めながら、ナビを頼りに車を進めた先に浴舎は建っていた。浴舎の周辺は草木が茂っている。
モダンな形の浴舎に足を踏み入れ、60歳がらみの男性に料金を支払い脱衣所に向かう。内部は改装を重ねてきた昭和の建物に思える。脱衣所は6畳間ほどの空間、木製の棚、プラ籠が並ぶ。
浴室は細長く、壁は青色に塗られている。色は所々剥がれている。正面奥に浴槽、左の壁に洗い場、右壁に水浴槽が配置されている。やや暗い。浴槽は平石と岩を組み合わせた造りだ。壁には昭和62年の分析表が掲げられている。「みやび温泉」と表示されている。なお、平成20年の分析表も掲示されている。
浴槽には無色透明の湯が満たされている。湯口からは程よい温度の湯が注がれている。飲泉可と表示がある。これといった味わいはなく、臭いに特筆もない。掲示によれば、「直接温泉を浴槽に入れています」とあり、消毒、加水、加温、循環、ろ過もないとある。
浴槽から景色を眺めることはできない。ひたすら浴室内を眺めつくし、湯を楽しみ過ごすことになる。
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みやぎ温泉
鹿児島市本名町1748-25
099(294)4622
単純温泉
42.7℃
シャンプー類なし ドライヤーあり
内湯 水浴槽
390円
9:00~22:00(日・祝8:00~22:00)
休:水曜日
2015/5/5