紫尾温泉 旅館ちどり荘

さつま町中心部から北へ延びる県道398号を進んでいくと、田畑や山々が連なる風景に変化していく。10㎞ほどで紫尾温泉だ。共同浴場と温泉宿が軒を並べ、小さな賑わいがある。
共同浴場のある脇道ではなく県道を少しだけ進んだ高い場所に温泉宿が建つ。昼食の頃、宿の玄関扉を開け立ち寄り湯をお願いする。




浴場は左側へ廊下を進んだ先だ。縦長の脱衣所には木製の棚が据え付けられている。扉を開けると右手に主浴槽、左手に洗い場が並ぶ。
浴槽は五角形で壁側と窓側には岩が組み上げられている。湯口は岩の間に設けられていて、岩山から温泉が湧き出してくる。浴槽に満たされる湯はほんのり緑色を帯びていることが分かる。





淵に切られたくぼみからは湯が溢れ去って行く。手に救うと明瞭な硫黄臭が鼻孔に届き、玉子味が舌を刺激する。肌に 心地よいヌルスベ感を残す。飲泉可である。洗い場にも温泉が供給されているようだ。

正面透明ガラス戸の外には小さな露天風呂が用意されている。一人で満員の浴槽だ。細く伸びた湯口から湯が供給されている。内湯と同様心地良い硫黄臭が鼻孔に届く。




露天からの眺めは庭の植栽に限られるが、塀を超えて紫尾神社の木立や広がる空が目に入る。


紫尾温泉 旅館ちどり荘
薩摩郡さつま町紫尾2198
0996(59)8246
単純硫黄泉(神の湯)
50.3℃
シャンプー類あり ドライヤーなし
内湯 露天
300円
9:00~21:00
2016/4/30