激しい雨の後で、川は増水していました。
細い道をしばらく進むと、目的地である白木川内温泉の建物が突然視界に現れました。
右側と左側の宿(白木川内温泉山荘)の間を進むと左側の宿のほうに受付らしい玄関があります。
扉を開け声を掛けるとおばさんが出てきました。料金を支払い浴槽の場所を尋ねると、「前」と一言。
脱衣所は狭く、そっけないロッカーが12個ほど並ぶだけ。古い!引き戸を開け一段下がり中に入ると2人の先客。浴室は狭い、洗い場は事実上なし、3人で洗うのが限界です。
浴槽は深めで、4~5人でいっぱいになる湯船です。湯は硫黄臭。心地よい嬉しい臭いです。暗くてよくわからなかったのですが無色です。浴槽は、男女の仕切りはセメントですが、そのほかは天然の岩です。湯口はありません。なんと岩の間からお湯が出ているらしいのです。
循環式とか掛け流しとかいう次元ではありません。驚きました。もちろん飲泉可です。浴槽の底も天然岩です。
浴室は天気のせいか暗く、また、洗い場の蛇口からはちょろちょろの水しか出ませんでした。でも、それでも良いと思わせる素晴しい温泉です。
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白木川内温泉 旅館山荘
0996(68)2314
出水市上大川内5002
単純硫黄温泉
源泉湧出 アメニティーなし
42℃
150円
6:00~21:00
2003/7/20
■再訪(2011/3/30)
7年8か月ぶりに訪れました。
細い道を進むと携帯は圏外、記憶に残る宿が目の前に映りました。
料金はそのまま変わらず150円。浴室も脱衣所もそのまま。
時間は進むものとばかり思っていましたが、それは違うのかもしれません。
温くもなく、熱くもない程よい湯が浴槽に溢れています。
肌あたりはやわらかく、まろやかな硫黄泉です。
飲泉してみます。癖のない味がのどを潤します。
心を見ず速さを競うばかりの日常を忘れさせてくれる空間です。