指宿駅から北方向へ歩いて7分ほどの住宅街の中に、蔦に覆われた建物があります。玄関アプローチの上部にある木造の構造物が特徴的な建物です。もう営業していないのかもしれないと思えるような佇まいに、腰が引けました。玄関に近づくと灯りがついています。営業しているようです。
番台があります。無人です。料金を入れるような箱もないので、先客に訊ねると置いておけばよいとのこと、番台に100円玉を2枚置いて入浴します。不足のない広さを有した脱衣所です。木製の棚が用意されています。浴室と脱衣所は全面がガラス戸で仕切られています。引き戸を開け浴室に。時間の経過が刻まれた空間が広がります。
コンクリートの床は褐色を帯び、男女を分ける壁を中心に半円形の浴槽が中央に配置されています。浴槽は3つに分かれ、湯口から湯が注がれている四角い浴槽は激熱、中浴槽はやや熱め、手前の大浴槽が適温という状況です。湯は笹濁りで肌を刺激するような印象はありません。薄い塩味です。タイル張りの浴槽は経年影響なのか、ところどころコンクリートで荒々しく補修されています。洗い場には鏡が備えられ、蛇口は懐かしい押し込み式です。
一人二人と後客が入ってきます。生きている温泉でした。
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今村温泉
指宿市大牟礼1-15-22
0993(22)2413
ナトリウム塩化物温泉
50.8℃
200円
13:00~23:30
休:第1・3水曜日
2012/2/25