志布志市松山支所から7kmほど県道110号を東へ進んだ辺りから左折、案内の標識を頼りに、杉木立などが茂る山間の道を登り詰めます。木立のつながりが途切れたと感じる頃、この施設の姿が目に飛び込みます。
施設の向かいには民家、こちらがこの施設を運営されている方です。車から降りると民家から女性の方が出て来られました。入浴の旨を告げます。浴室へ案内していただき、入浴の仕方を説明していただきました。
浴槽は家庭用のように小さく、一人しか入れません。床は深い焦げ茶色と乳白色を用いた飾りタイルが貼られていますが、浴槽は古く補修された後が残っています。浴槽の側の蛇口からは冷鉱泉が出ます。初めての方は湯が出ると勘違いされるとのこと。浴槽に貯めた冷鉱泉を沸かすのです。浴槽の上にある窓から覗くと、積まれた薪、そして焚口が見えます。浴槽内は変わった形状をしています。手前は浅く底の半分はやや深くなっています。深くなっている辺りの下を薪で熱し浴槽の湯を適温にしているようです。「湯加減はいかがですか?」気配りの声をかけていただきます。湯は印象に残るような浴感はなく、臭いも感じません。
湯上り、休憩室でお茶と手づくりの漬物、そして蒸し芋を頂きながら、管理されている女性の方からお話を窺いました。こちらの湯は皮膚病に効くとされ、医師がいない頃は温泉治療に来ている人もいらしたそうです。
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大谷温泉
志布志市松山町尾野見542-9
0994(87)8722
冷鉱泉
シャンプー類なし
内湯
350円
8:00~18:00(4月~9月)(10月~3月は17:00まで)
休:水曜日
2012/6/30