浴舎は商店と隣り合うように建ち、浴舎入口の向かいにある商店の裏木戸に「料金」を支払う案内が記されています。商店と浴舎入口の間には飲泉場があり、無料で飲むことができます。入口には薩摩藩歴代藩主の名前が書かれたプレートが掲げられています。
脱衣所には木製の棚が並び、共同浴場らしさが溢れています。引き戸を開けると浴室です。先客がいらっしゃいます。手前に楕円形のような形の枡があり、くっついて長方形の浴槽が配置されています。コンパクトな空間です。浴室内は浴槽も床も茶褐色に染まっています。壁のタイルはエンジ又はベージュで、浴室内は褐色系で統一された独特の雰囲気があります。浴槽を満たす湯は熱く塩濁りで、浴槽内部を窺うことはできません。
洗い場にも温泉が供給されていて、口に含むと塩味と鉱物味が広がります。床は長方形の石が敷き詰められ、歴史と威厳を感じる佇まいです。先客は浴槽の淵に頭を置き、横になられていました。
浴室の窓からは殿様湯跡が残されています。浴場は石畳で組まれていたそうです。湯は適温とするため、4つの湯つぼを次々に回るように設計されていたとのこと。今にあっても、理想的な湯温調整機能が遠い昔に用いられていたことに驚くばかりです。
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二月田温泉 殿湯
指宿市西方1408
0993（22）2827
ナトリウム－塩化物泉
56.3℃
内湯
アメニティー類なし
300円
7：00～21：00
2012/10/7