さつま町湯田の宮之城温泉は、日曜日のこの日もひっそりと佇んでいました。人影のない通りを進み、ちさと旅館の先から右折します。一区画進むと目的地に到着します。
総2階の建物は薄いベージュで、柱は淡いえび色に塗られています。入口には暖簾、旅館名を示す看板が温泉であることを教えています。
玄関を入ると無人の受付があり、こちらの料金投入口から100円玉を入れます。奥に続く廊下の左手に浴室入口が見えます。手前の壁には古い温泉分析表が掲げられています。昔は別の名前で宿があったようです。
やや暗い脱衣所は壁に板があしらわれ、木製の脱衣棚、藤の籠が用意されています。必要充分の空間と落ち着いた雰囲気が提供されています。扉を開けると浴室です。浴室は左先隅がカットされた不正形な長方形です。
右手と左手に洗い場、正面に湾曲した角をもつ浴槽が配置されています。壁に設置された蛇口をひねると、湯口から湯が供給されます。表示によれば飲泉許可なしながら、コップが置かれています。口に含むと玉子味と渋い酸味が混ざりあった個性的な味が広がります。強い臭いはなく、ほぼ透明の湯が揺らいでいます。浴槽は整えられた石で組まれ、浴室全体も浴槽と同じ意匠です。
家族湯もあるようです。格安で提供されています。宮之城温泉だからできる価格とサービスなのかもしれません。
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宮之城温泉 ちさと旅館別館
薩摩郡さつま町湯田1354-125
0996(55)9079
硫黄泉
51.2℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
家族湯:500円/60分
5:30~22:00
2013/6/16