錦江町の中心街、国道269号栄町交差点を海の方向へ少し進んだあたりから路地を右折、数十メートル歩くと時代を後戻りさせる木造の建物が見えてきます。
中に入ると高齢の女性、この方に料金を支払います。正面にある左側の扉を開けると脱衣所です。時間を随分刻んだと容易に想像がつく室内には漫画本が大量に並びます。脱衣所にはトレーニング機器も置いてあり、古い温泉場に似合わない組み合わせに驚きを覚えます。
浴場には先客。同浴となった90歳の方は、この浴場が営業を始めてから100年ほどが経っていることを力説されました。
円形の浴槽は細かいタイルが貼られているものの、至るとこに補修の跡が見られます。湯は浴槽の奥に設置されたジャグジーから注がれています。壁から伸びた鉄パイプのコックをひねると、こちらからも湯を注ぐことができます。無色透明の湯に癖はありません。
洗い場には「湯」「水」と書かれた枡があり、かかり湯として使用するようです。
浴場をぐるりと眺めるにつけ、この今に存在していることが奇跡のようにも思えます。
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梅乃湯
肝属郡錦江町城元620
0994(22)1408
冷鉱泉
内湯 サウナ 水風呂 薬湯
シャンプー類なし ドライヤーなし
300円
15:30~20:30
2013/12/21